水産のプロが認めるイチオシの魚料理店

手軽でおいしい料理に刷新

《漁協めしシリーズ》浜の駅おもと愛土館(あいどかん)食堂 (岩手県岩泉町小本)
2017/11/28
水産専門紙K記者のおすすめ!
毎週食べに来る人も!
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人気メニューの「小本浜ラーメン」焼き魚定食。680円

ここがおすすめ!

岩手県岩泉町小本(おもと)に9月3日、「浜の駅おもと愛土館」がオープンしましたJF 小本浜漁協の組合員が獲った魚や、地場野菜を提供する産直施設ですが、土日祝日には、同漁協女性部が考案したメニューを提供する食堂も営業しています。

きれいな木製のテーブルには、漁村や魚のかわいらしい絵が彫られている

ヘラガニの濃厚スープ

当地でヘラガニと呼ばれるヒラツメガニのダシをふんだんに使った「小本浜ラーメン」は、スープがおいしい。取材日は愛土館オープン4週目の週末でしたが、すでに「毎週食べに来ている人もいる」(愛土館スタッフ)という人気ぶりです。伝統的なヘラガニの利用法ではなく、あえて新味に挑戦していました。

カニだしは味噌が定番かと思いきや、同店では塩ラーメンに仕立てています。少しでも鮮度が落ちるとカニ臭さを感じてしまう調理法ですが、心配は無用。透き通ったスープからは想像できない、濃厚でコクがあり、豊かな香りを味わえます。

ワカメ、マツモ、フノリ、メカブの海藻4種が、丼上に分かれてトッピングされている点も楽しいですね。スープ+麺+海藻の4パターンを食べ比べると、食感やねばり、磯の風味がそれぞれ違うことがよく分かります。

これが「ヘラガニ(ヒラツメガニ)」。甲羅にH型の凹みがあり「エッチガニ」と呼ぶ地域もあります

新たな郷土料理が誕生

食堂メニューは現時点で「小本浜ラーメン」と、地元漁業者が獲ってきた日替わりの魚をふんだんに使う「龍甲海鮮丼」の2つです。ただし、隣接する産直コーナーで販売する「小本浜鮭ん坊」を食べ忘れてはいけません。

県内屈指のサケ漁獲量を誇る当地で、東日本大震災後に漁協女性部が考案しました。スリ身にしたサケの身に、キャベツや長芋、紅ショウガなど加えて揚げるお好み焼き風の新作サケ料理です。薩摩揚げに似た食感ですが、サケの香りや野菜の食感に独自性がありました。ワサビ醤油をつけると、さらにおいしいと言います。

近年、サケの漁獲量は減少し、加工原料が不足しています。ただ、遡(そ)上したメスサケは蓄えたエネルギーの大半を卵にとられ、脂がなく味が落ちます。採卵後のサケは近年、新巻鮭にも利用されていますが、かつてはすべて捨てられていました。

「もったいない。川サケも利用できないか」と漁協女性部で試行錯誤し、鮭ん坊を作り上げました。「被災した小本浜を盛り上げたい」という気持ちもあります。串に刺してあるため食べやすく、イベントでも好評で、2015年度の「いわての浜料理選手権」では岩手県知事賞を受賞しました。

サケの香りや野菜の食感が楽しい「小本浜鮭ん坊」

小本浜ラーメンも鮭ん坊も、地元で獲れた魚介類を使い、漁協女性部の新しい発想で、手軽においしい料理に刷新しました。工藤洋子部長は「新しい郷土料理として定着してくれるとうれしい」と期待しています。

新鮮な地魚が格安で販売される産直コーナー

施設名称は、地元の方言で「一緒に行きましょう」という意味の「あいどがん」からきています

産直施設ということで、店内には新鮮な地魚や地場野菜が販売されています。同町沖は須久洞(すくどう)という、県内屈指の優良定置網漁場を有しており、魚種も豊富で、新鮮な魚目当てに朝早くから人が来ます。よそでは見ない珍しい魚もありますよ。水産物の産直は、地元の小本浜漁協が運営しており、新巻ザケ作りの体験などの企画も予定しているそうです。毎月最終日曜日には屋外のイベント広場で定期市も開かれます。

店舗情報

営業時間
朝8時~午後6時(冬季は5時半まで)
住 所
〒027-0421 岩手県下閉伊郡岩泉町小本字小本6-25
電 話
0194-32-3288
定休日
火曜日
食堂は土日祝日のみ朝11時~午後3時まで営業しています
地 図
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