水産のプロが認めるイチオシの魚料理店

正真正銘 漁師の店

《漁協めしシリーズ》お魚食堂「弘伸丸」(JF伊座利漁協 (有)大敷水産)
2020/02/04
水産専門紙K記者のおすすめ!
日替わり魚を格安で提供の穴場
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人気メニューの「刺身定食」は800円

ここがおすすめ!

 徳島県阿南市那賀川町の国道55線沿いに店を構えるお店は、JF伊座利漁協の理事であり、同漁協の大敷網(大型定置網)代表の坂口進さんが腕を振るう、正真正銘の漁師の店。定置網に入る日替わりの魚を格安で提供する穴場に、地元の魚好きが足繁く通います。

豪快でボリューム満点の天ぷら定食

朝獲れた定置網の魚が続々と

毎朝、定置網に入った魚を使うため鮮度は抜群。刺身、天ぷら、焼き魚、煮魚、漬け丼など、壁には大まかなメニューが書かれるが、決まった魚種ばかりでない。だからこそ、「今日はどんな魚が食べられるのかな?」と考えるのも楽しみのひとつです。 人気の刺身定食は、取材日が皿を覆う6点盛りでした。小鉢と味噌汁、香の物付き800円で、ご飯はおかわり自由。

ボリューム満点で有名な店にあって、際立つ盛りの天ぷら定食は、外側はカリっと中はふんわり柔らかい。煮付けは丸魚が基本で、部位ごとの味や食感の違いを食べ比べられます。 扱う魚は次から次へ、時間単位で変わるため、手書きのメニュー表が追いつきません。「あい(アイゴの成魚)」「ばりこ(アイゴの幼魚)」など、マイナー魚+地方名の混在で、何を注文してよいか分からないかもしれまでん。でも、地域の食文化を知るチャンスです。「どんな魚ですか?」と聞いてみましょう。私は「標準和名は・・・何だ?」と言われましたが、それも楽しい思い出でした。

魚種や部位の食べ比べも楽しい煮魚

移住漁業者の受け皿に

お店は伊座利漁協のアンテナショップの役割も果たしています。徳島県南部、太平洋に面する美波町東端の伊座利集落は、人口100人程度の小さな漁村です。伊座利漁協の草野裕作組合長は「日本一小さな漁協」とおどけますが、県外からの漁村留学や短期漁村体験も積極的に行っていて、それを機に移住、漁協の大敷網に就職した人もいます。

ただ、主力の定置網漁業は、6月下旬~10月下旬に網を上げます。代わってアワビなどの素潜りに専念するのですが、この漁は個人の腕が問われるため、勝手の分からない新人は収入が激減し、離職の原因になりかねません。

食堂「弘伸丸」ではこうした若者も雇用しており、仕事を覚えるまでの収入安定に貢献、「安心して働きに来て」と、移住者の受け皿にもなっています。

お店は伊座利から徳島市方面へ、車で1時間近くも走る距離にあり、往来の激しい国道沿いを選びました。坂口さんは「不安定な漁業に将来はあるのか」との思いで、15年ほど前に店を開いたそうです。漁を終えると魚を選び、店では板長として働く忙しい日々です。

なお、店では定置網で獲れる魚だけを提供しているため、網上げ期間中の営業は休みになります。

 新規就業家族の受入など、先駆的な取り組みも行う坂口店長

 お店では伊座利でとれた魚の干物や、地元の海女(海士)が採った海藻の佃煮なども格安で販売しています。文中にも出た「あい」の干物は、漁獲直後に加工するためか、藻類食魚に特有な匂いは薄く、しっかりとした身でうま味が非常に強い魚でした。

「あい」の干物など、ほかの地域では見られない魚が味わえる

店舗情報

営業時間
昼11時半~14時半/夜17時~21時
住 所
〒779-1112徳島県阿南市那賀川町色ケ島民養40-1
徳島市方面へ100Mの所に大きな駐車場があります。
電 話
0884-42-3044
定休日
月曜日と年末年始および網を上げている6月下旬~10月下旬
地 図
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