海の輝きを使用した生しらす丼
ここがおすすめ!
JF大洗町(茨城県大洗町)女性部直営「かあちゃんの店」は開業7年が経ちました。東日本大震災の津波被害を克服し、地区随一の繁盛店に成長。浜の母ちゃんが腕を振るって、新鮮な地魚を提供しています。
茨城・大洗といえば生シラス!そう意気込んで訪れた日は、残念ながらシラスは水揚げなし。ガッカリしながらのれんをくぐると、しかし「生しらす丼定食」(税別900円)は普通に販売されていました。隠れて首を捻りつつ注文してみました。
生シラスを箸で一つまみして口まで運ぶと、身がプリプリと踊る。生シラス特有の〝えぐみ〟もない。代わりに感じられたのは未体験の甘さでした。
「水揚げのない時は、大洗オリジナルの生食用冷凍シラス『海の輝き』を使っているんです」と漁協女性部の川上悦部長。『海の輝き』とは、漁師が帰港前の最後のひと網のシラスを、船上で特殊処理をして凍結したもの。水揚げ後すぐの状態を封じ込めるので、通常の生シラスよりある意味で鮮度がよいのですが、手間がかかるので限定販売だそう。
通常の生シラスも、隣の魚市場で揚がった生シラスをその日に出すので「海の輝き」に遜色ない鮮度で口にできます。とはいえ、水揚げがないことでちょっと得した気分になりました。
シラス休漁時にも、豊富なメニューが揃う
平日にもかかわらず、ピークタイムは店の前に行列
地魚をより多くの人に
店頭は常に行列が出来ていますが、分業制が行き届いているので提供が早く、人数ほど待ち時間はないと感じます。
飲食スペースから調理場が見え、隣の魚市場で仕事する浜の母ちゃんが、そのまま目の前で働く様子が見られる臨場感も人気の秘密だと思います。
「みりんや三温糖を使い漁師町特有の深みのある味わいに仕上げにしています」という煮魚を目当てに、県外から月一で通ってくる人もいるそう。
魚のほぐし身たっぷりの「しらすかき揚げ」
一部定食に付く「しらすかき揚げ」は、シラス以上に、魚のほぐし身がたっぷり含まれていて食べ応えが全く違うことに驚きます。
かあちゃんの店・別館。団体客があるときに使う。下ごしらえする加工場を兼ねている
大洗町といえばアニメ『ガールズ&パンツァー』での町おこしがあまりにも有名。同店ではキャラパネル『大洗女子学園水産課生徒』がみられる